行政書士試験情報

行政書士の難易度の真実-初心者目線や他資格試験と比較してどうか

2015年2月2日

さて、行政書士試験って難しい試験なのでしょうか?いや、実際問題、合格率10%台の試験です、難しい試験であることには違いはありません。

そこでいくつかの異なった視点から、行政書士試験の難易度について検証してみたいと思います。

元司法試験受験生、行政書士試験本試験受験経験有り、ここ数年の行政書士試験の過去問をチェックしている立場からお話してみたいと思います。

行政書士、初心者にとっての難易度はどうか?

初心者とは、それまで法学について専門的に学んだことのない人ということで定義させていただきますが、初心者にとって行政書士の難易度は高いと言えます。こういう言い方するとどんないい方も可能なので具体例を出して計ってみたいと思います。

初心者からだと1000時間の勉強時間が必要

例えば勉強時間。これは個人差ありますのであくまで参考時間をとらえていただければと思いますが、初心者が合格に足る実力を身に付けるまで、独学で800時間程度と言われているようですが、私は1000~1500時間必要と考えます。

巷で言われている800時間て、1日3時間毎日勉強して267日、つまり、約9か月です。初心者が毎日勉強したところで9か月で合格できるとは経験者として思えません。全6科目60問、3種類の出題形式をずぶの素人が9か月で合格できるなんて、どう思います?私の知る限り、行政書士はそんな簡単な試験ではありません。

1000時間だと、11か月強です。まあこれでも厳しいかなとは思いますが、100人いれば1人2人ぐらいは合格できるかもしれません。初心者が独学で勉強するということはそれほど厳しい環境であるということ、です。参照:行政書士は独学で合格できる?独学勉強のハンデを克服する方法とは

初心者だったら講座受講は必須

行政書士に初心者が合格したいのなら、講座受講は必須だと考えます。なぜ必須と考えるかと言えば、講座を利用すれ勉強すれば1000~1500時間も掛からないからです。当然個人差ありますが、私は半分の時間で済むと考えます。

一般論として考えれば当然ですが、右も左もわからない法律の勉強、自分でするのとプロの講師に教えてもらうのどっちが効率的か?試験のことわからない初心者がどのセンテンスも同じペースで勉強していくのと試験を知り尽くした講師の指導によるメリハリ効いた学習だとどっちが効率的か?

いうまでもありませんよね?独学と講座受講の差は他にもありますが、すべてまとめれば半分の時短ぐらいになるはずです。どうすればいいかは受験生次第ですけど。

法律系国家資格試験の中では簡単な部類

法律系資格との関係性について難易度を語ってみましょう。一つ言えるのは、行政書士試験は法律系資格試験の中では簡単な部類に入ると思います。

法律そのものが難しいですからね、それを操ることを生業とする試験と考えれば、致し方ないこと。

法律系資格試験といえば、司法試験、司法書士試験、行政書士試験などでしょうか、この3つの中では最も合格しやすい資格は間違いなく行政書士。実際に管理人はすべて受験したことのありますが、それは間違いない。

司法試験>司法書士>行政書士

司法試験と行政書士の難易度比較

司法試験は文系国家資格試験でも最難関と言われています。司法試験は受験資格取得にもハードルが高く、合格率3%台の予備試験に合格するか、法科大学院の課程修了するかのいずれかでないと司法試験受験すらできません。

さらに、法科大学院は長くて3年短くても2年のプログラムだし、予備試験も試験期間だけで3次までの約半年間を費やします。当然素の前の勉強期間も年単位。難易度No.1というのもうなずけます。その司法試験が難易度10とすれば、行政書士は3~5ぐらいだと思います。

行政書士は予備校いかなくても合格は可能ですが、司法試験は無理ですからね、この差も仕方ないのかなと思います。行政書士試験は司法試験とは試験科目や出題形式についての近似性があり、司法試験を目指す上でのステップ科目にしている方もいるようです。:司法試験予備校を探してみる

司法書士と行政書士の難易度比較

司法書士は主に不動産や会社の登記に関する法律処理がメイン業務であり、行政書士と同じ法律サービス業務でも職務領域分けがなされている職業です。合格率4~5%といった、司法試験ほどではないが超が付く難関試験です。司法試験10、行政書士3~5なら司法書士は8ぐらいでしょうか。

司法書士が超難関試験足らしめている理由は、科目数の多さと合格点が高い点が挙げられます。司法書士試験は11科目です。司法試験は全10科目(数え方によっては11科目)、行政書士は6科目。

合格点は行政書士、司法試験共に大雑把に言って6割取れれば合格ですが、司法書士は6割ではまず無理、7割~7割5分といった、非常に厳しい競争を勝ち抜かないと合格できません。当然、独学では合格は厳しく合格者はほぼ予備校を利用しています。:司法書士予備校を探してみる

行政書士試験は難易度・合格ライン共に比較的低め

逆に、行政書士はなぜ3~5と難易度評価が低いのでしょうか。これは決して行政書士が難易度低いと言っているわけではなく、司法試験や司法書士と比較したらこうなったというだけであって、国家資格試験としては十分難関試験です。そこは勘違いせぬようお願いします。

その意味では、行政書士は比較的合格しやすい法律系国家資格と言えますが、そう言わしめる理由があります。それは、行政書士試験は、合格基準が他資格と異なりかつハードルが低いからです。

行政書士は絶対評価

それは行政書士試験は司法試験や司法書士試験のように相対評価ではなく絶対評価だからです。これには説明が必要です。

選抜試験と言うと、一般的に試験して採点されて点数高い方から合格、ってパターンです。受験者内での相対的な評価、点数の高い順番で合格という。司法書士や司法試験はそうです。

行政書士は絶対評価と言って、試験して採点されて、間では同じですが、選抜方法が違う。点数多い順ではなく、基準点があらかじめ定められていて、それをクリアすれば皆合格という、自分が取った点数が絶対的に合否を左右するという方式です。

受験生同士の競争はなく、強いて言えば己との戦い。これが行政書士です。ある意味、勉強した成果が出やすい試験と言えますし、自分が実際に頑張りさえすれば周り関係なく絶対合格という、問題難易度の割には合格しやすい試験と評価できるでしょう。

こういう観点からいえば、法律系国家資格試験の中では最も簡単な部類といえるでしょう。

行政書士試験の難易度 -まとめ-

一応、行政書士って国家資格ですから、国家資格をを与えるための選抜試験ですからね、お気楽に受けて受かるようなものではありません。10人受けて1人程度しか受からない試験ですからそれは間違いない。

しかしながら、法律系括りで言えば、はるかに難易度高い試験はあるし、試験制度による合格しやすい国家資格試験であると言えます。世間の目は行政書士合格したなんてそれなりに、「おー」と言われますし、ひとによっては「おまえが?つまんねえ冗談」と言われるほどの称賛はあるでしょう。

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